2009-06-17 太宰治「晩年」 死のうと思っていた。 ことしの正月、よそから着物を一反もらった。 お年玉としてである。 着物の布地は麻であった。 鼠色のこまかい縞目が織りこまれていた。 これは夏に着る着物であろう。 夏まで生きていようと思った。 ポケットに名言を にこれが載っていて 晩年を読んだときに この文がすごく心にしみたのを思い出して はっとした。