dondon dandan

珈琲を飲む。日に一度だけと決めている。缶コーヒーは珈琲とは思わないからそれは別として。夜空の下で聞いた彼の悲鳴や、白昼の少女の笑い声も、全て消え失せろと今は思う。外は曇り空。室内で立ち昇る蒸気がそれはそれは美しくて、海に行きたいねと思った。私が車を運転できるようになる頃には、いろんなことが変わっているんだろうか。車を運転していて、あんたの手は男っぽい手だねと母親に言われた夢を見た。現実世界での私の手は、少しのことですぐに血管が浮き上がる手。そのことで職場では、十代の女の子に素敵な手だと言われたこともある。コマ撮りで、私が本のページをずっとめくり続ける映像を作った時には、講評で先生に---これは君の手?---はい。---手タレ使ったのかと思ったよ。ということもあった。褒められることの多い私の手は、形は良くても、ポテンシャルは低い。何も掴めてない。いくつかのことを同時に進行させたがる私の頭にこの手はついていけてない。
レモンスカッシュを飲み干して、両手広げて、太陽を浴びたい。