この夏

わたしはこの夏に蝉の寿命を延ばした。
それがいいことなのかそうじゃないかはわからない。
でも少なくとも私がそれで救われた。
夏が終わって秋がくる。
わたしはわたしを救わなきゃいけない。
誰にも頼れない。頼りたくない。
自分を救えるのは自分しかいないんだって
ずっと思ってる。
わたしにはわたししかいない。
みんなはそんなことないかもしれない。
わたしはもうすぐ二十歳になろうとしている。
たった20年しか生きていないのに
色んなことを知って
色んなものを見て
色んなことを感じた
嬉しかったことを振り返れば
これからがもっと楽しみだし
悲しかったことを振り返れば
もううんざりだって思う


とにかく、わたしにはわたししかいない。
名詞ではなく、固有名詞の意味でのわたしの話。